【書評】グローバライズ/木下古栗

書評

木下古栗さんのグローバライズについて書きます。

興味を持ったきっかけ

アメトーークで放送されていた「読書芸人」がきっかけです。光浦さんが本書をオススメしていました。

「これは短編集で、会社員の同僚2人が普通に温泉に入っている話。だけど最後の2行で、でやぁーって全部ひっくり返される」

と紹介しており、気になったので購入しました。

 

ラスト2行で今までの話がひっくり返る?前にもそういう文句を聞いたことがあります。くりぃむしちゅーの有田さんが絶賛していた本

『イニシエーション・ラブ』

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「ラスト2行で今までの物語が一変する」
「ミステリーの最高傑作」

 

そんな風に紹介されていたと思います。そのときも、ものすごく気になって購入しました。私と同じように読みたいと思った人はたくさんいたみたいで、放送後にイニシエーション・ラブは売上ランキング圏外からトップ10に入ったみたいです。すごい。

イニシエーション・ラブの感想は別でブログを書こうと思いますが、とにかく面白かったです。普段、本を読まない人には衝撃でしょう。もし今の自分が読んだら途中でネタに気付くでしょうけど、当時の自分にはかなりのインパクトがありました。読書ってすごい!と感動しました。

 

このアメトーークでの光浦さんの紹介を受けて、もう一度イニシエーション・ラブの衝撃がほしいと思い購入を決意。放送から何年か経ちましたが、文庫版が出るまで待ちました。(今ならkindleですぐに買いますが)

買った本にはこんな帯がついていました。

「抵抗力に自信のない方は読まないでください」

期待を煽る!どんな衝撃的な内容なのだろう?どうひっくり返るのだろう?ワクワクしました。

読後の感想

グローバライズは12の短編から成っています。連作短編ではなく独立した話でした。読んだ感想を正直に言うなら、意味不明です。イニシエーション・ラブはラスト2行のために、あるゆる伏線を張り巡らします。その伏線を一瞬で回収することに、快感を覚えます。

一方のグローバライズ。これは伏線も何もないです。物語性もない。

例えばマリオブラザーズをやっていたら、突然バイオハザードになったみたいな。まるでエルサゲート。(エルサゲートとは、アンパンマンのような子供向けコンテンツと思いきや、いきなり暴力シーンや性描写が現れる動画です)

本書もそんな感じで、急に暴力シーンや性描写が登場します。かなり唐突に。

 

本書を読んで思ったのは、筒井康隆さんや村上龍さんに似ているなということです。村上龍さんの小説も突然のエログロシーンが登場します。歌うクジラなんかがそうです。正直、読んでて不快になりますが物語として成立しています。村上龍さんの場合は。

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本書は伏線やミスリードを誘う仕掛けもなく、いきなり物語がひっくり返されます。あまりに意味不明すぎるので評価が分かれる作品だと思います。

 

本書の「反戦の日」という作品の中でこんな文章があります。

「北海道に中学生が独立国家を作るとかいうクソ夢物語小説を平然と書いたり」

これは村上龍さんの『希望の国のエクソダス』のことを言ってるのでしょう。作者は村上龍さんの影響も受けているのかもしれません。

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書評まとめ

トリックや伏線によるどんでん返しを楽しむ本ではありません。面白いつまらないはともかく、印象には残る本だと思います。「理系の女」という短編はまさかの展開でドキドキしました。これが長編ミステリーの序章だったら最高なのにと思って読んでいました。

光浦さんが言ってた温泉の話は「天然温泉 やすらぎの里」という短編です。これも長編の序文ならなぁ。

意味不明さが面白くもあり、人を引き込むような文章の強さみたいなのはあります。なかなか人にオススメする本ではないかもしれませんが、気になった方は読んでみてください。

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