データや客観的な事実を正しく理解しましょう。
ちゃんと考えないと誤った解釈をしてしまいます。
「仕事」という検索ワードには、
以下のような言葉が関連キーワードとして表示されます。
・やめたい
・したくない
・できない
・向いてない
・飽きた
・行きたくない
・だるい
・逃げたい
これでもごく一部ですが、ほぼネガティブな言葉です。
「仕事 地獄」はあっても「仕事 天国」がなかったり。
この結果だけを見て、「多くの人が仕事に悩んでいる!」
と言いたくなりますが、それは違います。
「仕事に悩んでいる人が一定数いる」が正しいですね。
この結果だけでは割合が分からないからです。
日本の労働人口が1億人いるとして、
9,000万人がこういう検索をしているのか、10万人しかいないのか。
もし100人を対象に「仕事 ○○」と言えば?
という調査をしてネガティブな言葉ばかりなら
「多くの人が仕事に悩んでいる!」と言えるでしょう。
そうならないのは、
“仕事に対して何も思っていない人は検索に参加していない”からです。
たとえば、普通の人が「心臓 動いている」なんて調べないでしょう。
「痛い」とか病気になって初めて検索するわけで、それが多数とは限らないですよね。
仕事に対して何の不満もない人(検索しない人)が9,990万人いたら、
「多くの人が仕事に悩んでいる!」という結論にはならないです。
「そんなの当たり前だ」と思えますが、こういう間違いはけっこう起こります。
最近、高齢者の交通事故のニュースが多いですが、
「交通事故のほとんどは高齢者によるものだ」と言うのもその典型です。
交通事故全体の件数と高齢者以外の事故件数が分からないと判断できません。
さきほどの話では、参加者の結果だけでは分からないと書きました。
同じように考えるなら、
視聴率を測るには全ての世帯をモニターしないといけないのでは?となります。
モニターが設置されている10世帯すべてがNHKを観た場合、視聴率100%です。
もしこういう状況の場合、
モニターが設置されていない他の世帯も同じようにNHKを観ていると判断するため、
視聴率は全世帯に設置しないのです。
例えばカレーを作っていて、お鍋の中身全部を味見しなくても、
スプーン1杯分だけ味見すればいいですよね。
ニュアンスはこんな感じ。
統計学にそういう理論があるみたいです。もちろん誤差は発生しますが。
強烈な印象があると、事実を見誤ります。
例えば、中日ドラゴンズは交流戦に弱いと言われていますが本当にそうでしょうか?
交流戦の通算成績がこちら。
171勝173敗10分 勝率.497
強いとは言えませんが、最近のチーム状況を考えればそこまで悪い数字じゃないです。
ではなぜ弱いと言われるのか?
遡ること2005年の成績を見てみます。
15勝21敗勝率.417
創設したばかりの楽天にナゴヤドームで3連敗するなど、ボコボコにやられました。
交流戦が始まる前はリーグを独走するぐらいチームは強かったのに、大失速。
この印象が強いため、交流戦に弱いと言われています。
もう1つ中日の例でいうと、
「落合博満は短期決戦に強い」と言われますが、
日本シリーズは5回やって1回しか日本一になってないです。
決して強いとは言えず、むしろ弱い。
これは2007年にシーズン2位から巨人を破った印象からきてるのでしょう。
印象は数字よりも人の心に残ります。
たとえば、普段はノルマを達成していないのに、
期末だけ社内トップになる営業マンがいるとします。
決算前に数字を出したことで「出来る営業マン」というイメージがつきましたが、
年間の数字を見ると大したことない。
ある強烈な出来事があると、それまでの印象や数字が薄れます。
ブログをはじめてから検索ワードを分析していますが、
その後ろにある市場性なども見ないとダメですね。
情報を正しく理解しないと、情報に踊らされる。